文章ばかりでうんざりな亜鉛メッキの話


単車に欠かせない鉄の表面処理方法が亜鉛メッキ。
本当にお世話になってます。
亜鉛メッキには足を向けて寝られません。

亜鉛メッキには2種類ある。

1 溶融亜鉛メッキ
2 電気亜鉛メッキ

溶融亜鉛メッキは、溶解した亜鉛漕に鉄をドブンとくぐらせることで、表面をコーティングすることから「ドブ漬け亜鉛メッキ」とも呼ばれる。
亜鉛+アルミメッキ(ガルバリウムなど)も同じ施設を使用して掛けられるので、ドブ漬け=亜鉛メッキではないのだけれど、通常はドブと言えば亜鉛メッキを指す。

電気亜鉛メッキでは他の電気亜鉛メッキと同様に、メッキを掛ける母材(ワーク)に通電してメッキ液から析出した金属皮膜を付ける。

メッキ強度はドブの方が上

融解亜鉛が鉄表面に付着する際には鉄表面も融解する。
よって、鉄+亜鉛の合金層が形成されるため、剥がれにくいという訳です。

ドブの方が電気より厚い皮膜付けができるが、緻密繊細な皮膜とならないし、寸法変化も発生するため、トタンなど建築材料に使用され、単車に使うネジなどは電気メッキされる。


何故亜鉛メッキするのか?
簡単に言えば、錆びが発生する条件になった時、亜鉛が錆びて鉄は守るという防錆機能を持たせるため。
他のメッキじゃ駄目なのか?と問われれば、やっぱり駄目なのです。

a ZnO+H2O -> Zn(OH)2という酸化被膜を生成し、母材の鉄が酸化することを防ぐ。
b 犠牲防食という亜鉛メッキの自己修復機能が働くため、傷が付いても錆の発生を防ぐことができる。この自己修復機能は後で記すクロメート処理にもあり、二重に働くこととなる。

メッキには装飾性のためのものと機能性のためのもの、又その両方を期待するものがあるのだけれど、亜鉛メッキは機能性1点張りの硬派なメッキと言える。

何て素晴らしいのだろう、亜鉛メッキ!
VIVA Zinc plating!

因みにドブがどのくらい錆に強い耐用年数を持つのかと言えば、HDZ 55という550g/m2以上の皮膜では、海岸地帯で45年の耐用年数を持つのであった。※推定耐用年数(年)=めっき付着量(g/m2)×0.9/年間平均腐食減量(g/m2/年) (社)日本溶融亜鉛鍍金協会による大気暴露試験結果より


硬派な亜鉛メッキでも、やっぱり少しは綺麗になりたい。
そんなことで光沢クロメートという処理がされる訳です。

クロメートの種類
1 光沢クロメート(白色)
2 有色クロメート(虹色/黄色)
3 黒色クロメート
4 緑色クロメート(オリーブクロメート)

単車に使われるネジでは、1、2、3がありますが、オリーブクロメートは見たことがありません。
でも耐食性は、1 < 2 < 3 < 4なので、機能追求すれば緑一択です。

この差はどこにあるかと言うと、六価クロムの厚みの違い。
光沢、有色では皮膜が薄く美観を意識し、黒・緑では厚い皮膜で機能性向上を目的としています。

でもまあ、ここの所は深く掘り下げても有用な情報とはなりません。黒と緑が強いということだけ覚えておけばいいです。
興味があったら調べてください。私は調べました、凄く面白いです。

何が面白いかと言うと、ミクニフラットバルブキャブ以前のVMキャブはボディが亜鉛合金(いわゆる超合金ですね)。 なので、クロメート加工ができる訳です。

ということは機能のために、黒や緑のキャブが作れるということ。
実は光沢・有色クロメートでは染色も可能なので、赤青黄色とカラフルな色付けも可能。

亜鉛はアルミ同様塗装が乗らない困った子ですが、染色すればかなり自由に色付けできます。

因みに塗装を乗せ易くするためにもクロメートは尽力しますので、VIVAクロメートでもあります。


と、ここまでは調べれば分かる程度のお話。
復習です。

ところがこの亜鉛メッキの耐錆性能がSDR200に致命的なダメージを与えるのであった。
何てこった!

きっとヤマハも知っていながら放置しているこの事実。
レストアする時には考慮しないとね。

まだ追記してませんけど、2TV ヘッドライトステー2TV メッキトラスフレーム 2にも続きますよ。


2TV フロントフォークOH(オペ)

患者を前にして最初に考えることは

1 オイルシール温存術
2 オイルシール全摘術

どちらを選ぶか?

シールがイカレてて、オイル漏れが発生していたなら、これはもう躊躇なく一般的なフロントフォーク分解方法を採用。
更にインナーチューブの錆も多ければ、シールにダメージを与えている可能性が非常に高いので、これはもう確実。

外見上オイルシールの再使用を検討できるなら、ヤマハサービスマニュアル指定方法を選びます。(フォークを押し縮めることでフォークオイルの圧を上げてオイルシールを抜き取る方法。)


通常のオペ方法なら道具も要らないのでハードルが低く、ヤマハ指定方法ならプレス機(もしくは類似のツール/パンタグラフジャッキなどを利用してホームメイドツールを作る)が必要。

にえガレさんでは、足場用短管とクランプで作っています。
SRX250のフロントフォークを、簡易プレス機(?)で分解
長野二輪さんでは落雪防止用金具を使用。
R1-Z(その38・・・フロントフォークオーバーホール)

要はフロントフォーク上下を固定して、パンタグラフジャッキで縮める簡便な機構を作るということですね。

ならば、オイルシールの抵抗を無くしてやれば、ジャッキに頼らなくても良いかも知れない。
ラスペネならどうなんでしょう?
NBR(ニトリルゴム)を攻撃するでしょうか?
変形損失摩擦(ヒステリシスロス)を低減させるために、冷やしてオイル潤滑させてやればするっと外れそう。

他には、エアを吹き込むのはどうでしょう?(ハンドルからグリップを抜き取る際の方法ですね。)
道具を用意したくないために色々考えています。


パーツ点数は多くないし、特殊な工具は基本的に必要ないし、大きなスペースも必要ないので作業難易度は低い筈。
楽に作業するためには以下に留意。

車体(トリプルツリー)に取り付けられた状態でトップカバーは緩めておく。

要は取り外した後であっても、フォークを保持しやすくするものがあれば良いだけなので、予備の三つ又がゴロゴロしている環境では考慮の必要なし。
取り外した方が作業性は良いのではないでしょうか?

次はプラグの供回り。

内臓を摘出しないでボルトを回せば、スプリングにテンションが掛かっているので基本的には供回りは回避できる。
ネジロックも塗布されているボルトなので、ラスペネを吹きかけておいて一気にエイっと緩めてしまいます。
それでも回ってしまったら、回り止めを使用しなければならない。

ワコーズ ラスペネL 420ml 1,279円(税込)


ヘキサゴンボルトの締付トルクは3.0kg・m 要ネジロック
ホンダの締付トルクは1.5~2.0kg・mというのを見たことがありますので、かなり強く締めることになるようです。

ねじロックは規格で強度が色分けされています。
分解してみるとヤマハ(に限りませんけど)では青いねじロックの痕跡が見られます。
※低強度(紫)、中強度(青)、高強度(赤)
赤を使うと工具での取り外しは困難なようですから除外。

ヘンケル/ロックタイト クイックテープ 中強度 6.6m/249-6 2,263円(税込)
ロックタイト スレッドロッキング スティック 中強度 248 1,836円(税込)
デイトナ Permatex ネジゆるみ止め剤(ジェル状) 中強度 10ml 1,728円(税込)
Permatex ネジロック(液状)チューブタイプ 中強度 970円(税込)
ロックタイト ねじゆるみ止め剤 中強度 243 10ml 590円(税込)

色々ありますね。
価格は、液体<ジェル<スティック<テープの順になります。
プロじゃないし、そんなに使わない訳ですから、ただのロックタイト液状が安くて良い感じですね。
でも使い勝手はジェルが良さそう。

最後にオイルシールの養生。

ビニールやサランラップなどをインナーチューブに噛ませて、シールを打ち込む際に傷が付くことを防ぐ。
シールに傷が付いてしまえば、交換の意味は全くなくなってしまうので、ここ重要。
インナーチューブ自体にもフォークオイルを塗っておくのも忘れずに。


フロントフォークスプリング自由長373.5mm(使用限度368.0mm)

オイルシール打込み特工
通常の素人は適当な塩ビパイプを使用します。
バイク屋さんじゃなきゃ要らないでしょう。

今の所、百均のコロコロ(詰め替え用)が一番良さそう。
もう少し細いの探し続けます。

ヤマハ純正 Fフオークシール Dウエイト(MC) 90890-01367
ヤマハ純正 Fフオークシール Dウエイト(MC) 90890-01368

ヤマハ スペシャルツールリスト(PDF)

ここが一覧で見られて分かりやすいです。
フロント周りの分解とフォークオイル交換 – 原付・ライド


2TV フロントフォーク
2TV フロントフォークOH(準備)